英国の金融政策~インフレーション・レポートと今後の為替相場展望

2017/05/12 <>
  1. 11日のMPC(金融政策委員会)で、政策金利と資産購入プログラムは現行で据え置かれました。
  2. 同日発表されたインフレーション・レポートでは、政策金利の上昇ペースが下方修正されました。
  3. 英ポンドは、安定成長見通しと共に、EU離脱の不安が吸収され、下値リスクが軽減されそうです。

ポンド安の実質所得押し下げ効果を考慮

イングランド銀行(BOE、英中央銀行)は11日、MPCを開き、現行の政策金利(0.25%)、資産購入プログラム(国債4350億ポンド、社債100億ポンド)をいずれも据え置きました。インフレ率は目標である+2%を上回っている(3月CPI〔消費者物価指数〕は前年同月比+2.3%)ものの、ピークに近いと見て、据え置きが適当と判断されました。

同日、BOEはインフレーション・レポート(四半期毎)を発表しました。今回の特徴は、インフレ率、政策金利共に下方修正したところにあります。インフレ率は、ポンド安の影響で足元は上振れするものの、そのために実質所得の伸びが下振れし、その後の鈍化につながるとの見方です。政策金利は、今後3年間で0.25%相当の利上げという見方は変えていませんが、タイミングについてはやや後ずれさせた形です。

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悲観先行がかえってポンドを下支えか?

ポンド相場は、昨年6月の国民投票でEU(欧州連合)離脱(Brexit)となった後急落し、対ドルでは1ポンド1.2ドル、対円では125円を一時割り込みました(取引時間中)。ところが、メイ英首相が4月18日、議会の解散、総選挙を表明すると、政権安定への思惑からポンドは反発し、現在は1ポンド1.29ドル、146円辺りを推移しています。

ポンドの反発は、内政の安定がEU離脱の交渉をやりやすくさせるという安心感に加え、英国経済は比較的安定を維持するとの見方が影響していると見られます。また、EU離脱に対して悲観論が先行し、不安感が市場にある程度織り込まれたと見ることもでき、ポンドの下値リスクは以前より軽減されたと考えられます。

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