ユーロ圏の17年1-3月期GDP速報
2017/05/08
<投資信託>
- 実質GDP成長率は前期比年率+1.8%でした。全般的に減速しましたが、着実な景気拡大が続きます。
- 企業の在庫環境がさらに良くなり生産を押し上げるほか、雇用環境の改善も個人消費に寄与しそうです。
- 仏大統領選挙が無難な結果となり、市場はユーロ圏の着実な景気回復に改めて注目すると思われます。
内需全般が底堅い動き
Eurostat(EU統計局)が3日に発表した17年1-3月期の実質GDP成長率(速報)は、前期比年率+1.8%でした。16年10-12月期からは若干減速したものの、+1%台の着実な景気拡大が続いています。
GDPの需要項目別内訳は未発表ですが、全般的に減速しているようです。関連する経済指標を見ると、個人消費関連では、1-3月期の小売売上高が前期比+0.3%と、16年10-12月期の同+0.8%からは減速しました。また、設備投資関連では、ドイツの国内向け資本財受注が、1-2月平均が前期比-5.8%です。ただし、12月と1月が極端な上振れ、下振れとなったためであり、ならすと同+1%程度となっています。16年10-12月期からは減速しています。輸出入は、世界的な景気底上げを背景に輸出が順調に伸びる一方、底堅い内需から輸入も堅調で、実質貿易収支では黒字幅が高水準ながら横ばいとなっています。
良好な在庫環境と雇用・所得環境の改善が景気拡大を後押し
減速は懸念するほどではないと思われます。企業の在庫環境がさらに良くなっているためです。鉱工業の受注と在庫の動きを見ると、在庫の減少が続く一方、受注が加速度的に伸びつつあり、生産が底上げされやすい環境です。また、雇用環境も改善の余地があり、賃金の底上げが期待されます。\
フランス大統領選挙では、中道のマクロン氏が選出され、政治リスクがほぼ払しょくされました。これを受け、ユーロ圏景気の着実な拡大に対して市場が改めて好意的な目を向け、米国などと比べ、欧州市場(株式、通貨等)が相対的に優位になることが期待されます。
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