豪金融政策と今後の豪ドル相場の展望
- 政策金利は1.5%で据え置かれました。低インフレが続く中、引き続き様子見となりました。
- 一方、雇用環境に見られる改善の兆し、世界的なインフレ率上昇を注視するスタンスです。
- 商品相場は足元反落していますが、豪ドルは商品市況に対して割安であり、底堅いと思われます。
利上げは時期尚早も小さな環境変化を注視
本日、RBA(Reserve Bank of Australia、オーストラリア〔豪〕準備銀行)が定例理事会を開きました。政策金利であるキャッシュレートは1.5%に据え置かれました。16年8月以来、8会合連続の据え置きです。
足元のインフレ率は、1-3月期CPIが前年同期比+2.1%と、2年半ぶりに+2%台を回復しました。ただし、エネルギー上昇の影響が大きく、コアは同+1.0%と依然低水準です。一方、雇用環境は、失業率が5.9%(3月)と、最近1年では高水準にありますが、足元では正規雇用の増加が見られ、賃金の伸びが高まる可能性が出てきています。中銀は、依然インフレは低水準で、利上げは時期尚早としながらも、雇用環境の変化や、世界的なインフレ率上昇傾向を注視していくとしています。
割安感が下値支える
豪ドル相場は、春以降軟調です。トランプ政権の政策運営に対する懸念で米ドル安が進行したものの、商品市況下落の影響もあり、3月の年初来高値1豪ドル=0.77米ドル台から足元では0.75米ドル台と、やや下落しています。対円相場は88円強を年初来の高値として、現在は84円台となっています。
ただし豪ドルは、商品市況を代表する指標であるCRB商品指数の下落に対して比較的底堅い推移です。元々、昨年末頃の指数上昇に出遅れ、割安感が強まっていたため、指数が下落に転じてもそれほど大きな下落になっていないと思われます。米国で利上げペースの上昇期待が強まれば、米ドル建て資産への投資資金シフトから、豪ドルが弱くなる展開も予想されますが、割安感が依然残っているため、下値リスクは小さいと思われます。また、対円ではドル高・円安を受け、より強めに推移すると期待されます。
※CRB商品指数:国際商品市況の動きを示す代表的な指数。米英の先物市場に上場する19品目で構成されています。
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