インドネシア、経済安定で6カ月連続の政策金利据え置き
- 政策金利は4.75%、6カ月連続据え置かれました。米金融政策や地政学リスクに注意を払います。
- 良好な消費マインド、黒字基調の貿易収支など経済は堅調ながらインフレは適度に抑制されています。
- 相対的な高金利、安定した経済を好感した投資資金の流入が順調で、通貨ルピアにはプラス要因です。
「インフレなき好景気」の様相
19-20日にインドネシア銀行(BI、以下、中銀)の定例理事会が開かれました。政策金利である新BIレート(7日レポ金利)は4.75%で据え置かれました。据え置きは6カ月連続です。
消費者のマインドが良好なうえ、貿易収支は黒字が続き、インドネシア経済は好調です。中銀は、4-6月期は固定資本投資、外需を中心に景気が加速すると予想しています。一方、CPIは前年同月比+3.61%(3月)と、+4±1%の目標圏内で安定的に推移しています。外貨準備高が3月末時点で初めて1200億ドルを超えました。月間輸入額の9.1カ月分と潤沢で、対外信用の向上が期待されます。現在、主要格付け会社(国内2社〔R&I、JCR〕、海外3社〔Moody’s、S&P、Fitch〕)※すべてが長期債務格付けの見通しをポジティブ(近い将来格上げの可能性あり)としています。
※R&I:格付投資情報センター、JCR:日本格付研究所、Moody’s:Moody’s Investor Service、S&P:Standard & Poor’s、Fitch:Fitch Ratings
世界的な経済の活発化が後押し
中銀は、高まる地政学リスクと、総資産圧縮まで踏み込みつつある米金融当局の政策スタンスを、資本流出の要因として引き続き注意を払っています。
それでも、4.75%と相対的には高い政策金利の水準や、好調な経済による企業業績への期待を好感した、海外から投資資金の流入は順調です。その結果、ルピアは底堅く、株価は基本的に堅調です。ルピア相場は対ドルでは13,000ルピア台前半をキープしています。株価は米経済政策の不透明感拡大が頭を抑えましたが、高値圏で底堅い推移です。突発的なリスクの表面化を除けば、世界経済の全般的な底上げが年内、来年共に予想されており、当面は通貨、株価共に底堅いと期待されます。
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