トルコ中銀、限界貸出金利引き上げ~リラの行方は?
2017/01/25
<投資信託>
- 中銀は、政策金利上限の限界貸付金利を0.75%引き上げ9.25%としました。他は据え置きました。
- 大統領からの緩和圧力があるものの、足元の通貨リラ下落とそれによるインフレ加速を重視しました。
- 政治的リスクから、リラ相場は当面神経質も、景気底打ち感もあり徐々に割安感が強まると思われます。
通貨安からくるインフレ加速を重視、政治圧力に屈せず
トルコ中央銀行(以下、中銀)は、24日に開いた金融政策委員会で、政策金利の上限に当たる限界貸出金利を0.75%引き上げ、9.25%としました。一方、政策金利と下限金利(準備預金金利)はそれぞれ、8.0%、7.25%に据え置きました。
12月CPIが前年同月比+8.53%と急加速しました。トルコリラ(以下、リラ)の対ドル相場が、昨年10月以降に下落傾向が強まったことから、今回の利上げは、通貨安がインフレを加速させたとの判断し、通貨防衛によるインフレ抑制を重視したと見られます。エルドアン大統領からの金融緩和圧力に屈せず、利上げに踏み切った形です。
景気に着目すれば反発する余地も
リラは、強権色を強めるエルドアン大統領の政権運営や収まらぬテロに対する不安から、年明け後、さらに大きく売り込まれました。海外からの投資資金流入の減少などが懸念され、リラ相場は当面神経質な展開は避けられないと思われます。
しかし、一方で景気回復の芽も出てきています。治安に対する不安から外国人観光客は依然前年比2ケタの減少率ですが、マイナス幅は7月以降縮小方向にあります。また、欧州の景気回復を背景に輸出が堅調に推移しています。こうした景気実態が認識されて来ると、リラの他の新興国通貨に対する割安感が意識され、反発余地も出てくるのではないかと思われます。
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