ブラジル、3会合連続の利下げ~レアル相場の方向性は?

2017/01/12 <>
  1. ブラジル中央銀行(以下、中銀)が政策金利を13%に引き下げました。0.75%の大幅利下げです。
  2. インフレ率が1718年に目標の中心へ近づき、政策金利は10%程度まで下がると予想されています。
  3. 通貨レアルは利下げ局面では上昇する傾向があり、今後も対ドルで堅調に推移すると期待されます。

緩やかな景気回復の下でディスインフレ継続

1月10-11日のCopomで、政策金利のSELIC金利が13.75%から13%へ引き下げられました。利下げは3会合連続です。0.75%の大幅利下げでした。

中銀は声明文で、景気は回復しつつあるものの、想定よりは弱く、インフレの鈍化は予想以上と述べています。12月のCPIは、前年同月比+6.29%と急速に鈍化し、12月9日に中銀が発表したインフレレポートでの16年予想+6.5%をも下回りました。同レポートでは、17、18年のインフレ率をそれぞれ+4.9%、+4.5%と予想しています。これを受けてSELIC金利は17年は10.5%、18年は10%へ引き下げられると予想しています。

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利下げ幅が過去より小さくてもレアル上昇の方向性は変わらない?

ブラジルレアル(以下、レアル)は、米大統領選挙後に急落したものの、その後は堅調に推移し、対ドル相場は1ドル3.2レアルを割り込み、選挙前まで戻しました。対円相場は15年8月以来の1レアル36円台まで上昇しています。

長期的に、レアルの対ドル相場は利下げ局面では上昇する傾向があります。03年5月から09年7月にかけて、SELIC金利が26.5%から8.75%まで低下した局面では、1ドル3レアル近辺から2レアルを割り込み、対円相場は40円から50円まで上昇しました。今回、政策金利は14.25%からの低下で、利下げの幅は当時よりは小さいものの、少なくとも17年については、レアルは対ドル、対円共に堅調に推移すると期待されます。

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