12月のISM景気指数について(米国)
- PMIは前月比+1.5ポイント、NMIは同横ばいでした。NMIはすでに高水準で、企業活動は活発です。
- PMI、NMI共に新規受注指数の上昇幅が大きく、景気の先行きに明るさが見える内容です。
- 両指数の水準から足元は年率+3%程度の成長ペースと、今景気拡大期では高めと見られます。
製造業の景況感改善目立つ
ISM(全米供給管理協会)が3日にPMI、5日にNMIを発表し、PMIは前月比+1.5ポイントの54.7、NMIは同横ばいの57.2でした。産業全般を示す、PMI、NMIの生産高加重平均は同+0.3ポイントの56.8でした。今回は製造業の景況感改善が目立つ結果でした。
構成指数ではPMI、NMI共に新規受注指数の上昇が目立ちました(それぞれ前月比+7.2ポイント、+4.6ポイント)。製造業の在庫抑制姿勢が続く中での新規受注好調は、今後の生産拡大、非製造業では売上高増大につながるため、米国景気の先行きに明るさが見える内容です。
一方、雇用指数は全体の90%強を占める非製造業が前月比-4.4ポイントで、増加ペースの鈍化が示唆されています(11月の非農業部門雇用者数は前月比+17.8万人〔速報〕)。ただし、水準は53.8と雇用環境の好不調の境目である50は超えているため、昨年後半以降続いている緩やかな雇用増加傾向は変わらないと見込まれます。
世界的な景気底上げで企業活動活発化続く
ISMはゼロ成長相当の両指数の水準と、現状の水準から算出した実質GDPの成長ペースを発表しています。それを基にすると、10-12月平均では年率+3.1%でした。これは、7-9月期(前期比年率+3.5%)に続く+3%台の成長ペースであり、今回の景気拡大期(09年7-9月期以降)では高めの成長ペースが続いていることを示唆しています。
17年の世界経済は、米国ではトランプ次期政権の拡張的財政政策による内需刺激が予想されるほか、日本、ユーロ圏など他の先進国でも緩やかな景気拡大が続き、商品市況の安定などから新興国の景気も底打ちしつつあります。それによって企業活動は活発化、企業業績が押し上げられ、株価や金利水準の上昇につながると期待されます。
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