11月の雇用・物価情勢(日本)
2016/12/27
<投資信託>
- 11月失業率は3.1%と前月比+0.1ポイントも、求人倍率は高水準維持、労働需給ひっ迫が続きます。
- ここまでの求人倍率の動きは、来春にかけて今少し失業率低下の余地があることを示唆しています。
- 11月のコアコアCPIは前年同月比+0.1%と鈍化ながら、円安の影響等でプラス幅は拡大方向です。
完全雇用に近い状況下での動き
本日、総務省が11月の失業率を発表し、前月比+0.1ポイントの3.1%でした。新たに職探しを始めた人が増加し、完全失業者数が同+8万人となったことが失業率を押し上げました。3%前後が完全雇用と言われている中で、労働需給がひっ迫している状況に変わりありません。
また、厚生労働省が発表した11月の求人倍率は、有効が1.41倍(前月比+0.01ポイント)、新規が2.11倍(同横ばい)でした。完全雇用近辺で求職者数が伸び悩む中、今回は求人数も増加が一服したため、求人倍率の上昇が限られました。ここまでの求人倍率の動きは、失業率の低下余地がまだあることを示唆しており、来春にかけて3%を割り込む可能性もあると思われます。
プラス幅拡大への流れは変わらず
同日、総務省が発表した11月のCPIは、コアコア指数が前年同月比+0.1%と小幅ながらプラス幅が縮小しました。通信費やパック旅行費の値下がりなどが全体の伸びをおさえました。
ただし、今回の動きは一時的で、今後プラス幅が拡大していく方向は変わりないと思われます。米大統領選挙以降円安が進行しており、その物価押し上げ効果が年明け後にも表面化してくると見込まれます。また、雇用環境の改善が年明け後さらに進んで賃金増加方向が定着し、再び大幅な円高に逆戻りしない限り、インフレ率は+1%に向けて徐々に上昇していくことが期待されます。
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