インドの経済・市場展望~16年7-9月期GDP

2016/12/01 <>
  1. 実質GDP成長率は前年同期比+7.3%でした。個人消費が堅調な一方、政府支出が一服しました。
  2. 構造改革の推進と金融緩和の効果によってインドは今後も+7%台の高成長が続きそうです。
  3. 米金利上昇を警戒し株価は調整していますが、高成長で企業業績は好調、下値は堅いと思われます。

一時的な伸び悩みも+7%台をコンスタントに継続

11月30日、インド中央統計庁が発表した16年7-9月期の実質GDP成長率は前年同期比+7.3%でした。個人消費が好調な一方、政府支出の一服、企業の投資意欲が今一つだったことから4-6月期に対しては小幅な加速にとどまりました。

個人消費が前年同期比+7.6%と、4-6月期(同+6.7%)から大きく加速した一方、政府消費支出が同+18.8%から+15.2%と高水準ながら伸びがやや落ち、固定資本支出が同-5.6%と3期連続のマイナス、マイナス幅も広がりました。企業の景況感が高成長にかかわらず今一つ改善しないことに加え、政府の財政出動が一服したと見られます。インドは構造改革による潜在成長率の上昇と金融緩和の需要刺激効果によって、17、18年共に+7%台の高水準が続くと予想しています。

201612017

資本流出懸念は一時的、高成長が株価上昇の原動力に

足元の市場は株価が調整局面にある一方で、インドルピー(以下、ルピー)は対ドルでは下落したものの、相対的には底堅く、ドル高・円安を受けて対円では大幅に上昇しています。

これは、米次期政権の拡張的財政政策による米金利先高期待が、新興国からの資本流出につながるという懸念からきていると思われます。しかし、米国経済が好調な局面は新興国経済も好調であり、為替市場は緩やかなドル高傾向、株価は全世界的に底上げされる傾向があるため、米金利が過度に上昇しない限り、資本流出懸念は一時的なものに終わり、インドの高成長が企業業績を押し上げ、株価にも好影響を与えると思われます。

201612018

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