南アフリカの金融政策とランド相場の展望

2016/11/25
  1. 南ア準備銀行(SARB)は112224日の金融政策委員会で、政策金利を7.0%に据え置きました。
  2. 米大統領選後南アランドは大幅下落しましたが、インフレ予想は変わらず、様子見姿勢を続けています。
  3. 新興国では高い政策金利や、南ア経済に影響が大きい商品市況の落ち着きが通貨を下支えしそうです。

内外経済の不透明感増しつつも、インフレ鈍化見通し維持

SARBは11月22~24日の金融政策委員会で、政策金利を7.0%に据え置くことを満場一致で決定しました。インフレ予想は大きく変わらず、様子見姿勢を続けています。

SARBのインフレ見通しによると、16年+6.5%、17年+5.8%、18年+5.6%と前回会合から変わらず、17年半ば以降、インフレ目標の上限を下回ってくる、となっています。ただし、10月のCPIは前年同月比+6.4%と2カ月連続で加速しており、特に干ばつの影響を引きずる食料の高止まりが続いています。SARBは、当面は中立スタンスとしつつも、加速が続くようならば追加で利上げを実施することも有り得るとしています。

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年初からの反発がインフレリスクを軽減

南アフリカランド(以下、ランド)相場は、年初来堅調です。商品市況低迷から1月に対ドルで安値を付けた後は、世界経済に対する不透明感増大で金相場が反発に転じたことで反転上昇しました。対円相場も年前半の円高傾向で上昇が抑えられましたが、夏場以降は堅調です。足元では11カ月ぶりに1ランド8円台に乗せました。

米大統領選挙でトランプ氏選出後は急落し、主な通貨ではメキシコペソ、トルコリラ、日本円に次ぐ対ドル下落率となっていますが、年初からの上昇を考慮すると、インフレへの影響は軽微と言えるでしょう。新興国では高めの政策金利、商品市況の落ち着きなどから、ランドは底堅い動きとなりそうです。

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