ユーロ圏の10月景況感とユーロ相場動向
2016/10/26
<投資信託>
- 10月のIFO景況感指数は前月比+2.0の110.5と2年半ぶりの高水準、製造業の改善が目立ちます。
- 国別ではドイツの改善が目立ちます。粘り強い金融緩和の効果が中核国に出てきたと見られます。
- 南欧中心に政治面で不透明感が残るものの、ユーロ圏の景気全般は着実な回復が続きそうです。
効き始めた?追加金融緩和
10月25日、独IFO研究所が発表した10月の企業景況感指数は前月比+2.0ポイントの110.5でした。14年4月以来2年半ぶりの高水準です。Brexit(英国のEU離脱)に対する経済面での不安は払拭され、製造業中心にドイツ、ひいてはユーロ圏の景気全般が上向きつつあります。
製造業PMI(購買担当者景気指数)でみると、ドイツの改善が目立つほか、最近2カ月ではフランスの上昇も目立ち、8カ月ぶりに50ポイントの大台を回復しました。ZEW※など、投資家が対象の景況感指数も着実に上向いています。ここにきてユーロ圏の景況感が上向いているのは、ECB(欧州中央銀行)による粘り強い金融緩和政策も影響していると思われます。3月から量的金融緩和を拡大し、中長期金利を抑制したことが企業活動に好影響をもたらしていると思われます。
政治的な不透明要素で方向感が出にくいユーロ相場
10月は、総じてドル高・ユーロ安・円安の展開となっており、ユーロ・円相場は小さい値動きにとどまっています。ユーロ・ドル相場は、ECBの追加緩和期待と米利上げ観測がユーロ安要因と見られるほか、南欧の政治的な不透明感も重しになっていると思われます。しかし、ここにきてユーロ圏の景気の底堅さが出てきていることはユーロにとって支援材料であり、ドル高・ユーロ安の余地は狭まってくると思われます。
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