9月の小売売上高と最近の消費マインド(米国)
2016/10/17
<投資信託>
- 9月の小売売上高は前月比+0.6%、6月以来の高い伸びでした。自動車、ガソリン、外食が堅調でした。
- NRFは年末商戦を前年比+3.6%との予想を発表しました。過去10年平均を上回る強気予想です。
- 家計のマインドは、目先に対しては明るい一方、中長期的には慎重な見方をしていると見られます。
個人消費は底堅さ増すとの業界分析
14日に米商務省が発表した9月の小売売上高は前月比+0.6%と、伸び悩んだ7、8月に対し、比較的高い伸びとなりました。自動車、ガソリン、外食が堅調で、自動車、ガソリンを除くコアでは同+0.3%でした。CPIの変動を除く実質では、7-9月期は前期比+1.2%と、4-6月期の同+1.1%から大きな変化はなく、個人消費は緩やかながら安定した伸びが維持されました。
NRF(全米小売業協会)が4日、今年の年末商戦の見通しを発表しています。自動車、ガソリン、外食を除く11、12月の売上高合計は前年同期比+3.6%との予想でした。これは、前年実績(+3.2%)、過去10年平均(+2.5%)を上回る強気予想です。NRFの分析によると、雇用・所得環境の持続的な改善で、個人消費は底堅さが増していることが背景にあるとのことです。
問うている内容によって違いが出る消費マインド指標
ところで、二大消費マインド指標の方向性が逆になっています。ミシガン大学消費者信頼感指数の10月速報値は87.9と今年最低となった一方、カンファレンス・ボードが発表する消費者信頼感指数は9月時点で104.1と堅調です。
前者は、1年後、5年後の景気を問うているほか、コンファレンス・ボードでは算入していない耐久財の買い時判断を入れています。また、株価変動に影響を受けやすい特徴も持っています。一方後者は、6カ月後の景気や家計状況と、比較的短期の見通しを問うています。目先楽観していることは年末に向けた期待として反映される一方、1年から数年先については慎重な家計の姿が垣間見えます。
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