ユーロ圏の9月物価、8月雇用情勢

2016/10/03
  1. 9月のHICP総合は前年同月比+0.4%とやや加速しました。エネルギー下落の影響が剥落しました。
  2. 失業率は10.1%と5カ月連続で同率でした。主要国で明暗が分かれ、全体では改善足踏みです。
  3. 内需が回復するなかで、雇用環境は再び改善方向となり、インフレ率は上がっていくと見込まれます。

成長ペース持続でインフレ率は次第に底上げへ

Eurostat(EU統計局)が9月30日に発表した9月のHICP(速報)は、総合が前年同月比+0.4%、コア指数は同+0.8%でした。エネルギー下落効果の剥落で総合は前月から0.2ポイント加速しました。一方、コアはサービスが同+1.2%と、前月から0.1ポイント加速し、下支えしました。

HICPの上昇率は、ECB(欧州中央銀行)が目標とする前年比+2%弱のインフレ率を大きく下回り、12月8日に予定されている理事会では、量的緩和の期限が現行の17年3月からさらに半年ほど延長されるとの見方が強まっています。ユーロ圏の景気は内需主導で着実に回復しており、緩和が延長されれば景気回復の持続力が増し、インフレ率底上げに貢献すると思われます。アムンディでは、現時点では17年に+1%台に乗せてくると予想しています。

201610031

Brexit不安を乗り越え

同日発表された8月の失業率は10.1%でした。5カ月連続で同率です。ドイツが4.2%と東西統一後最低が続く一方、失業者数がほぼ横ばい、フランスは10.5%と3カ月連続で上昇するなど、主要国で改善が足踏みしています。一方、スペインは19.5%と約6年半ぶりの低水準、オランダは4年ぶりの6%割れ(5.8%)など、準主要国は改善が続いています。

心配されたBrexit(英国のEU離脱)決定後の景況感は一時的な悪化に終わり、企業活動に対する先行き懸念が後退しています。粘り強い金融緩和の継続もあいまって、雇用環境は再び改善方向に向き、インフレ率の底上げと共にユーロ圏の景気を押し上げると見込まれます。

201610032

アムンディ・マーケットレポートはこちら

http://www.amundi.co.jp/report/list.html

アムンディ・ジャパン株式会社
アムンディ マーケット・レポート   アムンディ・ジャパン株式会社
グローバル経済、金融政策、マーケットなどの動向、展望を、投資家の皆様に向けてタイムリーに分かりやすく解説します。本体であるアムンディ・パリからの経済、市場等の見通しも随時ご紹介します。
当資料は、アムンディ・ジャパン株式会社(以下、弊社)が投資家の皆さまに情報提供を行う目的で作成したものであり、投資勧誘を目的に作成されたものではありません。当資料は法令に基づく開示資料ではありません。当資料の作成にあたり、弊社は情報の正確性等について細心の注意を払っておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。当資料に記載した弊社の見通し、予測、予想意見等(以下、見通し等)は、当資料作成日現在のものであり、今後予告なしに変更されることがあります。また当資料に記載した弊社の見通し等は将来の景気や株価等の動きを保証するものではありません。

アムンディ・ジャパン株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第350号
加入協会:一般社団法人 投資信託協会/一般社団法人 日本投資顧問業協会/日本証券業協会/一般社団法人 第二種金融商品取引業協会

このページのトップへ