8月の鉱工業生産について(日本)

2016/09/30 <>
  1. 8月の生産指数は前月比+1.5%でした。内・外需要の持ち直しで年初の落ち込みを取り戻しました。
  2. デジタル家電や電子部品、化学系素材、化粧品が好調、機械も中国の景気持ち直しで回復しました。
  3. 在庫環境も改善がより鮮明化しました。年度後半は景気対策効果もあり、生産は底堅く推移しそうです。

「得意分野」の復調鮮明

本日、経済産業省が8月の鉱工業指数を発表し、生産指数は前月比+1.5%でした。国内での雇用・所得環境の改善や、中国の景気がインフラ投資積極化などで持ち直していることが影響し、年初の落ち込みをほぼ取り戻した形となりました。

業種別では情報通信機械工業が前月比+14.0%と大幅増加したほか、電子部品・デバイス工業が同+6.3%、化学工業(除く医薬品)が同+3.6%などとなっており、いわば日本の得意分野ともいえる業種が好調でした。デジタル家電や、IoT(モノのネットワーク化)関連の電子部品、樹脂等、化粧品が好調、また、中国関連で機械の一部も堅調でした。なお、生産予測指数は9月が前月比+2.2%、10月が同+1.2%と、生産の復調が続くと予想されています。

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景気回復・拡大局面の端に引っ掛かってきた

在庫環境がようやく最悪期を脱し、在庫が抑制されながら生産が回復していく、良好な環境にシフトしていく兆候が出てきました。出荷・在庫循環によると、今回は出荷、在庫双方がマイナスで、特に在庫のマイナス幅が拡大し、生産を抑制すると在庫がさらに減少していくという、生産の拡大期入りが垣間見える状況になってきています。

国内では、個人消費や設備投資など内需に持ち直しの気運が出てきているのに加え、年度後半は景気対策効果も期待されます。また、中国のみならず、新興国経済が最悪期を脱する兆しを見せています。こうした、各方面からの生産下支えの流れが徐々に鮮明化してくることが期待され、当面、鉱工業生産は緩やかな増勢が維持されそうです。

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