ブラジルの16年4-6月期GDPと株価、レアルの展望
2016/09/01
<投資信託>
- 実質GDP成長率は前年同期比-3.8%でした。内需のマイナス寄与が投資を中心に縮小しました。
- 輸入と固定資本投資が前期比プラスに転じ、景気後退特有の経済活動の傾向に改善が見られます。
- 利下げ、景気回復の観測、企業業績急回復で株価は堅調、レアルも底堅い展開が期待されます。
企業活動に活発化の兆し
IBGE(ブラジル地理統計院)が8月31日に発表した16年4-6月期の実質GDP成長率は前年同期比-3.8%でした。9期連続のマイナス成長で、依然として厳しい経済情勢ですが、マイナス幅は縮小方向です。一方、前期比年率は-0.56%と、1-3月期(同-0.43%)からやや悪化しましたが、固定資本投資が11期ぶり、輸入が5期ぶりにプラスに転じるなど、企業活動に活発化の兆しが見られます。
個人消費もマイナス幅が縮小していることから、内需は全般的に底打ちしつつあり、実質GDP成長率のマイナス幅は今後も縮小していくと思われます。アムンディでは16年は-2.5%、17年は-0.5%と予想しており、四半期ベースでは遅くとも17年前半にはプラス成長に転じると見込んでいます。
企業業績は大幅黒字へ転換、利下げ観測は通貨にも追い風
景気回復期待の高まりを背景に株価は堅調です。代表的な株価指数のボベスパ指数は、一時昨年来高値を更新しました。企業業績は、15年は赤字だったものの、16年は大幅な黒字へ転換すると予想されており、割高感も解消されたため、当面堅調に推移しそうです。
インフレ率鈍化で、ブラジル中央銀行が早ければ年末にも利下げに転じる可能性が高まっています。このため、ブラジルレアル(以下、レアル)は、高金利を早めに確保したい投資資金の流入が期待され、株価に対してプラスに影響すると共にレアルにとっても追い風になると考えられます。
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