ブラジルの金融政策とレアル相場の展望

2016/09/01
  1. Copom(金融政策委員会)は政策金利を14.25%で据え置き、インフレ抑制スタンスを続けます。
  2. 足元のインフレ率鈍化はCopomの想定にほぼ沿っており、年末にも利下げする可能性があります。
  3. レアルは利下げ局面に上昇する傾向があり、景気見通しの改善もそれを後押しすると期待されます。

鈍化続くインフレ率も高金利維持

8月30-31日にCopomが開かれ、政策金利であるSELICレートは14.25%に据え置かれました。15年7月以来9会合連続の据え置きです。

Copomのメインシナリオによると、CPIは16年が前年比+7.3%、17年が同+5.1%と予想されています。7月時点では前年同月比+8.74%と、+10%を超えていた15年末前後からは鈍化しており、Copomはほぼシナリオに沿っていると評価しています。しかし、インフレ目標である+4.5±2%を上回る水準であり、まだ利下げの余地はないとしています。インフレ目標上限の+6.5%を割りこむ時期については、Copomの予想に沿えば17年早々と見込まれ、早ければ年末にも利下げに転じる可能性があると思われます。

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金融政策と景気双方がレアルに追い風の環境へ

ブラジルレアル(以下、レアル)は、1月下旬に1ドル4.1レアル台まで下落したあと上昇に転じ、8月上旬には3.1レアル台と、対ドルで約33%上昇しました。対円も2月中旬に1レアル28円割れとなった後、7月下旬には32円台後半と約17%上昇しました。

ブラジル経済は、年内には実質GDP成長率が前年比プラスに転じる公算が大きく、インフレ鈍化が進んで利下げの現実味が増すようになると、景気の先行きもさらに明るくなると見られます。レアルは利下げ局面に上昇する傾向があり、かつ景気回復が本格化すれば、ブラジルへの投資妙味も向上し、レアルは上昇しやすい展開になると期待されます。

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