ユーロ圏の7月物価、6月雇用情勢

2016/08/01 <>
  1. 7月のHICP総合は前年同月比+0.2%でした。サービスと食品が堅調で全体を押し上げました。
  2. 失業率は10.1%と前月比横ばいでした。スペインが511カ月ぶりの20%割れとなりました。
  3. 雇用環境は緩やかな改善で内需を刺激、HICP総合は年内にも+1%をうかがうと見込まれます。

年末にかけてコアに近づく動き

Eurostat(EU統計局)が7月29日に発表した7月のHICP(速報)は、総合が前年同月比+0.2%、コア指数は同+0.9%でした。サービスが同+1.2%と堅調で全体をけん引したほか、食品が同+1.4%と6カ月ぶりに+1%台に乗せたことも押し上げ要因となりました。

一方、エネルギーが前年同月比-6.6%と、6月の同-6.4%から若干マイナス幅が広がりました。ただし、原油価格が今後急落しない限り、年末にかけて急速にマイナス幅を縮小させ、プラスに転じることが予想されます。ちなみに、エネルギーが前年同月比横ばいになった場合、HICP総合は0.6~0.7%押し上げられると計算され、コア指数の上昇率にほぼ並ぶ計算になります。その通りになれば、HICP総合は年内にも+1%に近付くと見込まれます。

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着実な雇用環境改善も、先行きインフレ率を押し上げか

同日発表された6月の失業率は10.1%、前月比横ばいでした。また、失業者数は前月比-3.7万人、21カ月連続の減少です。なお、スペインの失業率が19.9%となり、10年7月以来5年11カ月ぶりに20%を割り込みました。20%以上が続いている国はギリシャのみとなりました。

失業率は10%割れを目前に足踏みしましたが、緩やかな景気回復の下で1ケタ台へ低下するのは時間の問題と見られます。失業率が9%台になると、HICP総合が前年同月比で+1%台に乗せてくる可能性が高まります。エネルギーによる押し下げ効果剥落に持続的な雇用環境の改善も加わり、インフレ率は今後着実に上がってくると予想されます。

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