英国の16年4-6月期GDP速報~英ポンド相場の行方は?
2016/07/28
<投資信託>
- 英国の16年4-6月期実質GDP成長率は前期比年率+2.4%。Brexit前の景気は堅調でした。
- センチメント指標では、7月以降の景気減速が示唆されており、中長期的にも減速が予想されます。
- 英ポンド相場は、離脱後の不透明感は拭えないものの、景気対策には前向きな反応が期待されます。
中長期的には景気減速が避けられない情勢
27日に英国家統計局が発表した16年4-6月期の実質GDP成長率は前期比年率+2.4%でした。Brexit(英国のEU〔欧州連合〕離脱)決定前の英国経済は、底堅い推移をしていたことが示されました。
需要項目別の内訳は未発表ですが、小売売上高が堅調だったのに加え、貿易収支も改善し、内・外需でバランスのとれた成長になったと見られます。7月以降の経済指標はこれから発表されますが、センチメント指標では、ZEW(欧州経済研究センター)の7月期待指数が-77.2と、リーマンショック時を下回る92年以降最低を記録するなど、不透明感が非常に強まっていることが示されました。アムンディは16、17年の実質GDP成長率をそれぞれ前年比+1.1%、+0.2%と、内需の伸び悩み等を背景に減速すると予想しています。
不透明感残るものの、景気対策にはプラスの反応も?
英ポンド相場は、Brexit決定後急落し、対ドルでは約31年ぶりに1ポンド1.3ドルを、対円でも3年8カ月ぶりに130円を一時割り込みました。しかし、早くも13日にはメイ新首相が就任し、政治的不透明感が幾分和らいで持ち直しました。その後は、EUとの交渉が年明け後になるとの見方からもみ合いとなっています。
英国経済は減速が予想されていますが、元々底堅かったことから、当面、勢いが続く可能性があります。また、追加金融緩和実施の公算が大きいほか、ハモンド新財務相は景気対策に前向きです。英ポンド相場は、中長期的な不透明感から上値は限定的ですが、政策総動員には前向きな反応が期待されます。
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