ラジャンRBI総裁が9月で退任

2016/06/20
  1. RBI(インド準備銀行)総裁のラジャン氏は与党・人民党の再任拒否で9月で退任することとなりました。
  2. インフレ安定化と高成長を実現したラジャン総裁に対する評価は高く、一時的に市場に影響しそうです。
  3. 後任も、ラジャン総裁が築いた金融政策の方針を基本的には引き継ぐ公算が大きいと思われます。

一部の民族主義的な層からの拒否反応も影響か?

RBIのラジャン総裁は18日に職員向けに声明を発表し、1期3年に当たる9月4日をもって総裁職を退任すると発表しました。与党である人民党が再任を拒否したためです。「欧米式政策スタンスに傾斜し過ぎている」「不当に金利を高く据え置き、中小企業に打撃を与えている」等々、やや民族主義的な意見が反映されたとの見方もあります。

しかし、ラジャン総裁は、リーマンショック後の高インフレに悩まされていたインド経済にインフレ目標を導入し、2ケタだったCPI上昇率は安定、実質GDP成長率は主要新興国では最高水準です。経済の安定で、モディ政権下の構造改革もスムーズに推進しやすい環境です(ただし、議会側の問題で進捗は芳しくない)。政権内ではラジャン総裁は高評価を受けていました。

201606203

政策スタンスが大きく変化する可能性は高くない?

ラジャン総裁退任の報を受け、インドルピーは前週末の1ドル67.09ルピーから約0.9%安い67.69ルピーで始まりましたが、午後3時時点では67.42ルピーと半分ほど戻しています。また、代表的な株価指数のSENSEX指数は、前日比-0.5%で始まりましたが、同時点では+0.2%と上昇に転じています。

後任については、副総裁やラジャン氏も就任していた政府主席経済顧問などが挙がっています。しかし、ラジャン総裁の築いてきた金融政策の方針で経済が安定したので、敢えて大きな変更を強行する可能性は高くないと思われます。したがって、市場は比較的早期に落ち着くと思われます。

201606202

アムンディ・マーケットレポートはこちら

http://www.amundi.co.jp/report/list.html

アムンディ・ジャパン株式会社
アムンディ マーケット・レポート   アムンディ・ジャパン株式会社
グローバル経済、金融政策、マーケットなどの動向、展望を、投資家の皆様に向けてタイムリーに分かりやすく解説します。本体であるアムンディ・パリからの経済、市場等の見通しも随時ご紹介します。
当資料は、アムンディ・ジャパン株式会社(以下、弊社)が投資家の皆さまに情報提供を行う目的で作成したものであり、投資勧誘を目的に作成されたものではありません。当資料は法令に基づく開示資料ではありません。当資料の作成にあたり、弊社は情報の正確性等について細心の注意を払っておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。当資料に記載した弊社の見通し、予測、予想意見等(以下、見通し等)は、当資料作成日現在のものであり、今後予告なしに変更されることがあります。また当資料に記載した弊社の見通し等は将来の景気や株価等の動きを保証するものではありません。

アムンディ・ジャパン株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第350号
加入協会:一般社団法人 投資信託協会/一般社団法人 日本投資顧問業協会/日本証券業協会/一般社団法人 第二種金融商品取引業協会

このページのトップへ