5月の小売売上高と最近の消費マインド(米国)
2016/06/15
<投資信託>
- 5月の小売売上高は前月比+0.5%で2カ月連続増加、無店舗小売、外食、自動車が押し上げました。
- 消費マインドは目立って良いわけではないものの、春からは改善した状態が続いています。
- これまでの雇用・所得の増加の効果が少しずつ、消費行動に表れてくることが期待されます。
1-3月期から改善方向
6月14日に米商務省が発表した5月の小売売上高は前月比+0.5%でした。前月の同+1.3%に続く増加です。増えたり減ったりが続いた1-3月に比べると消費行動は改善しています。ガソリンが価格回復で同+2.1%となったのは底上げ要因ですが、自動車、無店舗小売業(主にネット通販)、外食が好調でした。一方、総合商業施設(百貨店・スーパー等)が同-0.3%、建材・園芸が同-1.8%と、明暗が分かれました。
4-5月平均の小売売上高は1-3月平均に対して+1.4%となっており、1-3月期の前期比-0.1%に対して、大きく改善しています。仮に6月が横ばいとしても、4-6月期の小売売上高は増加に転じることがほぼ確実な情勢です。
着実な消費底上げに期待
足元の消費マインドを見ると、ミシガン大学消費者信頼感指数は、6月速報値が94.3で前月比-0.4ポイントでしたが、4月から大きく改善した水準を維持しています。また、Bloomberg消費者安心度指数は43.5(6月第1週)で、5月第2週の41.7から回復傾向にあります。消費マインドは総じて底堅いと言えます。
5月の雇用統計は弱い内容でしたが、これまでの順調な雇用増加や、増加が少しずつ加速している賃金所得の効果が徐々に出てきています。目先は、英国のEU(欧州連合)離脱を懸念した市場の混乱などの影響が考えられますが、基礎的な環境改善が、前向きな消費行動につながっていくことが期待されます。
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