南アフリカGDP速報と金融政策、ランド相場の展望

2016/06/10
  1. 1-3月期実質GDP成長率は前年同期比-0.2%と、0910-12月期以来のマイナス成長となりました。
  2. 鉱業の落ち込みが著しかったことが最大の要因です。干ばつの影響で農業もマイナス寄与でした。
  3. 商品市況の回復、対外収支の改善、高金利が通貨ランド(以下、ランド)を下支えする要因です。

負の連鎖続

6月8日、南アフリカ統計局が発表した16年1-3月期の実質GDP成長率は、前年同期比-0.2%でした。リーマンショック後にマイナス成長に陥った09年10-12月期以来のマイナス成長となりました。プラチナをはじめ鉱物の需要低迷で、鉱業が同-8.5%と落ち込んだことが最大の要因です。長引く干ばつの影響で、農業も同-2.9%と4四半期連続のマイナスで、足かせとなりました。鉱業、農業の低迷は生産チェーンにも打撃を与え、電力や運輸業もマイナス成長に陥るなど、負の連鎖を生み出しています。

景気低迷に加え、ズマ大統領の贈収賄容疑が蒸し返されるなど、政治不安も重くのしかかっています。大手格付け会社のS&Pとフィッチは格付けを投資適格級の最低水準であるBBB-で据え置きましたが、S&Pは見通しをネガティブとし、政策による経済好転がない場合は格下げも視野に入ると警告しています。政治不安が財政健全化の障壁となりうることが、最大のリスク要因です。

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商品市況の回復、対外収支改善傾向はプラス要因

ゴーダン財務相逮捕の可能性との報道を受けて、ランドが下落するなど、政治不安は通貨にとってもマイナスです。ただし、通貨安の一因であった商品価格に持ち直しの兆しが見られ、最悪期は脱した感があります。また、通貨安を受けた製造業製品輸出は拡大を続け、貿易収支は連続黒字を計上しています。

商品市況の回復、対外収支の改善傾向に加え、相対的に高い金利は中長期でランドの下支え要因となり、ここ最近のドル高修正による資金回帰の流れもランド上昇期待となり得ます。

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