5月のISM景気指数と今後の米国景気・金融政策

2016/06/06
  1. PMIは前月比+0.5ポイント、NMIは同-2.8ポイントでした。NMI23カ月ぶりの低水準です。
  2. 生産、新規受注は低下も、50以上を維持。在庫環境が改善しており、数字ほど悪くはありません。
  3. 年後半に向けた景気好転の方向性は変わっておらず、年内利上げは1~2回と予想しています。

NMI低下は懸念だが、景況感改善の方向は維持

ISM(全米供給管理協会)は、1日にPMI(製造業購買担当者景気指数)を、3日にNMI(非製造業購買担当者景気指数)を発表しました。PMIは前月比+0.5ポイントの51.3、NMIは同-2.8ポイントの52.9でした。NMIは14年2月以来2年3カ月ぶりの低水準で、景気拡大の勢いに懸念が残るものの、PMIが底堅く、全体としては景況感改善の方向は維持されていると思われます。

構成指標を見ると、NMIでは雇用指数が低下しており、5月の雇用統計における雇用者数増加幅の縮小と整合した動きです。生産指数、新規受注指数はPMI、NMI共に低下しましたが、いずれも50超えは維持しています。また、納品指数が上昇したのに加えて、製造業では在庫指数が低下しており、在庫環境の改善と先行きの鉱工業生産増加に期待が持てる動きといえます。

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年景気は持ち直しの方向、年後半利上げの見方は変わらず

アトランタ連銀が発表しているGDP成長率の推計モデル「GDP Now」によると、4-6月期は6月3日時点で前期比年率+2.5%と予想されています。企業の景況感が1-3月期からは改善していることと整合的で、景気は持ち直す方向と見込まれています。

ただし、金融政策については、個別の経済指標で再利上げ時期の予想が揺れ動いています。5月雇用統計の内容が弱く、6、7月利上げの見方は大きく後退しました。それだけ米国景気の拡大ペースが緩やかであり、判断が難しいことを示しています。アムンディでは、2%程度の経済成長ペースと、年後半に1~2回の利上げとの見方は変わっていません。

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