インドの16年1-3月期GDPと今後の経済・市場展望
2016/06/01
<投資信託>
- 実質GDP成長率は前年同期比+7.9%でした。個人消費主導で高い成長が続きます。
- インフレ率は目標圏内で安定、経済の構造改革も着実に進展し、今後も高成長が予想されます。
- 企業業績の回復が予想され、株価は上昇基調が予想されます。ルピーは安定して推移しそうです。
経済構造改革に関連した政府支出もプラス
31日、インド中央統計庁が発表した16年1-3月期の実質GDP成長率は前年同月比+7.9%でした。アジア新興国では最高の成長が続いています。個人消費が同+8.3%と好調で景気をけん引しています。また、政府支出も同+2.9%と堅調です。経済構造改革に関連してインフラ投資などの支出が増加しています。
IMF(国際通貨基金)は16、17年も+7%台の成長率を予想しています。モディ政権が推進している経済構造改革は法整備を含めて着実に成果を上げてきており、今後もアジアの成長ゾーンとの見方が定着しています。民間の調査では7%台後半から8%台を予想する向きもあります。
企業業績は急回復へ
良好な経済情勢を受けてインド株式は堅調です。SENSEX指数は、世界経済に対する懸念が頂点に達した2月中旬に年初来12%下落しましたが、その後反発し、5月末では2万6667ポイントと、15年末の水準を上回ってきました。EPS(1株当たり利益)は15年は前年比13%減少したものの、16年は20%程度の増加が予想されています。
通貨ルピーについては中・長期的に安定もしくは緩やかな下落が予想されます。RBI(インド準備銀行)は、国際収支の悪化を防ぐために過度なルピー高にならないような政策方針を採っているためです。対ドルの動きは緩やかなため、対円はドル・円の動向に左右されそうです。ドル・円は、一時の円高傾向から安定しており、当面は小さな値動きにとどまると見込まれます。
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