4月の雇用統計について(米国)

2016/05/09
  1. 非農業部門雇用者数は前月比+16.0万人、失業率は5.0%でした。雇用のたるみ解消が進んでいます。
  2. 民間企業時間当たり賃金は前年同月比+2.5%と、たるみ解消に沿って緩やかに上向く方向です。
  3. 景気、物価を加速させるほどではなく、次回の利上げは年後半になる可能性が高いと思われます。

雇用環境改善が長期化する中、雇用の増勢は緩やかに

5月6日に米労働省が発表した4月の雇用統計速報によると、非農業部門雇用者数は前月比+16.0万人、失業率は同横ばいの5.0%でした。雇用者数の増加幅は動きが大きいため、ある程度幅を持って見る必要がありますが、前月比でおおむね+15~25万人ならば順調な増加と解釈できると思われます。

一方、失業率はここ半年ほどほぼ横ばいです。雇用環境改善で、就職活動を再開したり、より良い条件を求めて離職する人が徐々に増加していることが背景にあり、過度に悲観視する必要はないと思われます。

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賃金増加→物価環境改善の流れ維持

雇用のたるみは着実に縮小しています。広義の失業率-失業率は4.7%と前月比-0.1ポイント、年初来最低を更新しました。同数値は雇用のたるみの解消度合いを見るのに適していると考えられ、実質的な雇用環境改善は順調に進んでいると言えます。

なお、民間企業の時間当たり賃金は前年同月比+2.5%でした。このところ+2.5%前後で推移していますが、雇用のたるみ解消が続けば、+2%台後半への加速も十分期待でき、それは結果的にインフレ率を押し上げることにもつながります。もっとも、この程度の所得環境の改善では、景気拡大、インフレ率は緩やかなペースが続くと思われます。アムンディでは、早期の次回利上げの可能性は低く、年後半に1ないし2回程度の利上げで、年末のFF金利の誘導水準は1%が上限と予想しています。

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