メキシコの金融政策と今後のペソ相場展望
2016/05/06
<投資信託>
- 政策金利は3.75%で据え置かれました。低インフレ、商品市況の安定を受けてひとまず様子見です。
- 米国が慎重な金融政策姿勢ですが、経済の相対的な関係を考慮して柔軟な政策判断する見込みです。
- 財政赤字がそれほど悪化せず、国際商品市況が安定していることから、ペソは当面安定しそうです。
インフレの低位安定受け様子見
5月5日、メキシコ中央銀行(以下、中銀)は定例理事会を開き、政策金利(オーバーナイト金利)を3.75%に据え置くと決定しました。2月17日に緊急利上げをした後、2会合連続で据え置きました。
インフレは引き続き低位で推移しています。3月CPIは前年同月比+2.60%と目標の中心である+3%を11カ月連続で下回りました。中銀は、これまでのペソ下落による輸入物価上昇で、一時的に+3%を上回る局面があるものの、基本的には+3%近辺に落ち着くと予想しています。中銀は、為替相場のインフレへの影響のほか、米国金融政策も注視しますが、経済の相対的な位置関係に配慮しつつ柔軟に政策判断していく姿勢です。
国際商品市況の持ち直し、安定からペソは小幅な値動きへ
ペソ相場(特に対ドル)は、原油価格との連動性が高く、1月から2月にかけてWTI(米国指標油種)が1バレル20ドル台に下落した局面に1ドル19ペソ台までドル高・ペソ安が進行しました。
現在、WTIは40ドル台半ばまで回復し、17ペソ台まで値を戻しています。メキシコ政府の信用力に関係し、ペソ相場にも影響する財政収支については、原油収入の落ち込みにもかかわらず、それほど悪化していません。直近12カ月累計の財政赤字対名目GDP比は、16年3月時点では3.3%と、15年12月時点の3.2%からほとんど悪化していません。むしろ個人消費が旺盛で内需が堅調なことが財政収支の悪化を抑制し、ペソ相場を下支えしていると考えられます。国際商品市況が落ち着きからペソの動きは安定すると思われます。
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