4月のISM景気指数と今後の米国景気、金融政策

2016/05/06 <>
  1. PMI50超えは維持しましたが前月比-1.0ポイント、NMIは同+1.3ポイントと明暗が分かれました。
  2. 非製造業は雇用者数の多い業種の業況が好調で、企業全般の景況感は改善していると言えます。
  3. 年央にかけて景気は好転すると見込まれますが、早期再利上げの可能性は依然小さいと思われます。

内需業種を中心にまずまずの景況感を維持

ISM(全米供給管理協会)は、2日にPMI(製造業購買担当者景気指数)を、4日にNMI(非製造業購買担当者景気指数)を発表しました。PMIは前月比-1.0ポイントの50.8、NMIは同+1.3ポイントの55.7でした。PMIはここまでの持ち直しが一服しましたが、NMIが上昇したことで、企業全般の景況感は改善したと言えます。

PMIの構成指標は雇用指数以外はすべて前月比マイナスでした。ただし、生産指数、新規受注指数共に50超えは維持し、足元の活動水準は緩やかに拡大していると判断されます。一方、NMIは新規受注指数と雇用指数が上昇し、企業の活動水準と共に雇用環境が引き続き好調なことを示しました。業種別の業況をみると、経営管理サービス、宿泊・外食サービスといった雇用者数の多い業種が好調で、米国経済が内需主導で緩やかに拡大していると見られます。

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金融政策スタンスは引き続き慎重な可能性大

PMI、NMI双方が50超えの水準にあることから、米国景気は持ち直すと期待されています。アトランタ連銀が発表しているGDP成長率の推計モデル「GDP Now」では、4-6月期は5月4日時点で前期比年率+1.7%が予想されています。ただし、今後発表される各種経済指標で動くため、まだ予想の確度が高いとは言えません。

また、持ち直すとはいえ、米国景気の拡大ペースは緩慢です。現在、FRB(米連邦準備理事会)による再利上げの時期をめぐって思惑が交錯しています。雇用環境は十分改善したものの、物価環境はまだ十分とは言えず、早期再利上げの可能性は小さいと思われます。

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