ユーロ圏16年1-3月期GDP統計速報

2016/05/02
  1. 実質GDP成長率は前期比年率+2.2%でした。好調な個人消費がけん引したとみられます。
  2. アムンディでは、17年に向け+1%台で安定した緩やかな景気拡大が続くと予想しています。
  3. 物価環境の先行きはまだ不透明感が払しょくできず、強力な金融緩和が続けられると見込まれます。

雇用環境改善を背景に個人消費がけん引か

4月29日、Eurostat(EU統計局)が発表した16年1-3月期の実質GDP成長率(速報)は前期比年率+2.2%でした。4四半期ぶりの+2%台へ加速しました。

GDPの内容はまだ未発表ですが、関連指標を見た限りでは個人消費を中心に内需がけん引したと見られます。小売売上高を見ると、1-2月平均の段階では10-12月期に対して年率で+3%を超えています。一方、設備投資は機械受注が伸び悩んでいるものの、建設投資が持ち直しており微増、純輸出は輸出入ともに低い伸びで、貿易黒字幅は前期比ほぼ横ばい、全体に対する押し上げ効果はわずかと見られます。

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成長率は+1%台で安定推移、強力な緩和で景気息切れの可能性小さい

アムンディでは、ユーロ圏の実質GDP成長率について、16、17年と小幅な減速を予想していますが、大きな流れとしては+1%台の緩やかながら安定した成長が続くとの見通しです。インフレ率(CPI〔消費者物価指数〕)については、+1%台に乗せてくるのは17年以降であり、年内にインフレ目標(前年比+1%弱)を達成する公算は小さいと見ています。

ユーロ圏では日本と同じく、ECB(欧州中央銀行)が銀行の中央銀行への預金にマイナス金利を付しているほか、月800億ユーロの国債等の購入を実施する、マイナス金利と量的金融緩和を同時に実施しています。少なくとも17年3月までは継続するとしています。これは、17年辺りにはインフレ目標を達成する展望は描けているという観測に基づくものと思われます。ECBは、必要ならば追加緩和の余地はあるとしており、景気、物価が大崩れするリスクは小さいと思われます。

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