16年1-3月期GDP統計速報(米国)

2016/05/02
  1. 実質GDP成長率は前期比年率+0.5%でした。設備投資が減少したほか、個人消費も減速しました。
  2. 製造業の景況感が持ち直しつつあるほか、海外経済も落ち着いており、減速は一時的と思われます。
  3. 物価環境は徐々に改善しています。景気持ち直しがより鮮明化すれば、利上げ観測が強まりそうです。

内需が弱まったが一時的か

4月28日、米商務省が発表した16年1-3月期の実質GDP成長率(速報)は前期比年率+0.5%でした。速報としては15年10-12月期に続く+1%割れにとどまりました。

今回は内需の弱さが目立ちました。個人消費は前期比年率+1.9%と4四半期ぶりの+2%割れでした。これは、自動車販売台数が同-14.4%と落ち込んだことが影響したとみられます。また、設備投資が同-5.9%と、2期連続マイナスでした。今回は、鉱業関連投資が同-86.0%、輸送用機器投資が同-14.3%となったことが要因です。前者は原油安の影響、後者は自動車販売減少と連関しているとみられます。しかし、足元では製造業の景況感が持ち直しているほか、原油価格も回復しており、減速は一時的で、4-6月期以降は再び加速する公算が大きいと見込まれます。

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物価環境改善を背景に利上げは年後半に1~2回

景気減速で、次回の利上げ時期に対する予想が後ずれしていますが、物価環境は改善しつつあり、景気持ち直しが鮮明化すれば、早期利上げの思惑も出てきそうです。

FRB(米連邦準備理事会)が政策判断の参考指標としているPCE価格指数は、16年1-3月期は前年同期比+1.0%でした。原油価格下落の押し下げ効果が剥落したほか、コアも同+1.7%と物価上昇の裾野も広がってきています。ただし、インフレ目標(+2%)をまだ下回っており、早期利上げの可能性は小さいと見込まれます。アムンディでは、年後半に1~2回の利上げ実施を予想しています。

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