3月の小売売上高と足元の消費マインド(米国)

2016/04/14
  1. 3月小売売上高は前月比-0.3%、1-3月期でもマイナスでした。しかし、実質ではプラスです。
  2. 4月月初までの消費マインドは、足元の景気に慎重で購買意欲が伸びず、若干湿りがちです。
  3. 着実な雇用増加でインフレ率が上昇しつつあり、賃金増加による消費底上げも遠くないと思われます。

エネルギー価格下落がマイナスの要因

米商務省が13日発表した3月の小売売上高は前月比-0.3%でした。1月に続くマイナスで、足元の消費活動は伸び悩んでいます。自動車が同-2.1%で全体を0.5%押し下げたほか、飲食サービス(同-0.8%)衣料・装飾品(同-0.9%)、百貨店(同-0.6%)など、高額品消費の伸び悩みが示唆されるような動きでした。

この結果、1-3月期の小売売上高は前期比-0.1%と、1年ぶりにマイナスとなりました。しかし、今回の減少はエネルギー価格低下による影響が大きく、物価変動を除く実質小売売上高は前期比+1.2%でした。これは15年10-12月期の同+1.0%を若干上回り、実質的な個人消費は底堅く推移していると判断されます。

201604141

足踏みから脱する環境になりつつある?

また、消費マインドを見ると、Bloomberg消費者安心度指数は、足元の経済環境に慎重で購買意欲が盛り上がらず、4月月初はやや弱くなっています。ミシガン大学消費者信頼感指数も3月は91.0と、15年の動きと比較すると伸び悩んでおり、全般的に湿りがちです。

これに対して、消費意欲が今後回復していくことを示唆する動きも出ています。CPI(消費者物価指数)コア指数は2月時点で前年同月比+2.3%と4カ月連続で+2%台となっており、緩やかなインフレを達成する方向に推移しています。雇用者数の着実な増加が続く中でインフレ率が上がってくると、それだけ賃金増加が促されやすくなります。個人消費が底上げされるのもそう遠くないと思われます。

201604142

アムンディ・マーケットレポートはこちら

http://www.amundi.co.jp/report/list.html

アムンディ・ジャパン株式会社
アムンディ マーケット・レポート   アムンディ・ジャパン株式会社
グローバル経済、金融政策、マーケットなどの動向、展望を、投資家の皆様に向けてタイムリーに分かりやすく解説します。本体であるアムンディ・パリからの経済、市場等の見通しも随時ご紹介します。
当資料は、アムンディ・ジャパン株式会社(以下、弊社)が投資家の皆さまに情報提供を行う目的で作成したものであり、投資勧誘を目的に作成されたものではありません。当資料は法令に基づく開示資料ではありません。当資料の作成にあたり、弊社は情報の正確性等について細心の注意を払っておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。当資料に記載した弊社の見通し、予測、予想意見等(以下、見通し等)は、当資料作成日現在のものであり、今後予告なしに変更されることがあります。また当資料に記載した弊社の見通し等は将来の景気や株価等の動きを保証するものではありません。

アムンディ・ジャパン株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第350号
加入協会:一般社団法人 投資信託協会/一般社団法人 日本投資顧問業協会/日本証券業協会/一般社団法人 第二種金融商品取引業協会

このページのトップへ