オーストラリア(豪)の金融政策と今後の豪ドル見通し
2016/04/05
<投資信託>
- 政策金利は2%で据え置きでした。豪経済は低インフレながら底堅く、企業の景況感が改善しています。
- 最近の豪ドル反発でインフレ圧力が抑制されており、RBAの金融政策スタンスは緩和バイアスです。
- 利下げの可能性は否定できませんが、景気との兼ね合いで動きにくく、豪ドルは小動きが見込まれます。
インフレ圧力やや後退も製造業の景況感が改善油
本日、オーストラリア準備銀行(RBA)が定例理事会を開き、政策金利のキャッシュレートを2.0%で据え置くと決定しました。15年6月以来据え置きが続いています。
豪経済は、国際商品市況低迷による鉱業投資急減を内需でカバーしつつ緩やかな成長を続けています。2月後半以降、市況が回復に転じたことをきっかけに豪ドルが反発し、これがインフレ期待を抑制し、月次推定CPIは3月に+1.7%へ低下しました。一方、低金利が続いている影響で企業の景況感が改善し、製造業PMI(購買担当者景気指数)は3月で58.1と、約12年ぶりの高水準となりました。雇用者数が順調に増加するなど雇用環境も改善が続いており、経済実態は底堅く推移している感があります。
金融政策スタンスは緩和バイアス、豪ドルは当面小幅な動きか
しかし、RBAは金融政策スタンスを緩和方向にしています。このところの豪ドル反発は、日欧での追加金融緩和も一部影響しており、インフレ圧力を抑制するなど、豪経済へ必ずしも良い影響を与えず、金融緩和余地が残されるとしています。
豪ドルの対米ドル相場は、1豪ドル0.76米ドル程度と、15年7月頃の水準です。当時、RBAは豪ドル高の是正が必要と指摘していたため、現在の豪ドル反発に注意を払っていると考えられます。米国の再利上げの道筋が不透明な中、日欧がさらに追加金融緩和を実施した場合、利下げの可能性もあり得ますが、景気が底堅いため実際には動きにくく、豪ドルは当面、小幅な値動きが見込まれます。
◇CRB商品指数:国際商品市況の動きを示す代表的な指数、米英の先物市場に上場する19品目で構成される
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