トルコの金融政策と当面のトルコリラ相場
2016/03/25
<投資信託>
- 政策金利を7.5%に据え置いた一方、限界貸出金利を10.75%から10.5%へ引き下げました。
- 市場心理が落ち着いてきたこともあり、金融政策簡略化に向けた一歩を踏み出した形です。
- 高インフレ下の利下げや金融政策への政治介入が懸念されますが、リラ相場は当面安定しそうです。
強いインフレ圧力下の利下げは意外
トルコ中央銀行(TCMB)は3月24日の金融政策委員会で、政策金利の1週間レポ金利を7.5%に据え置く一方、政策金利の上限に当たる限界貸出金利を10.75%から10.5%へと引き下げました。翌日物市場金利は同日、約3カ月ぶりに10%を割り込みました(9.5%)。
声明文によると、市場心理の落ち着きなどを受けて、かねてから計画している金融政策簡略化を一歩進めたとしています。しかし、依然強いインフレ圧力から、引き締めも必要としており、方向感が定まっていません。2月CPIは前年同月比+8.78%と前月から鈍化したものの、TCMBも注視しているコア(食品、エネルギー、酒、タバコ除く)は同+9.72%に達し、インフレ目標の上限を大きく上回っています。よって、上限金利引き下げは意外でした。
政治的な懸念はあるものの、リラは新興国通貨持ち直しの流れに乗る展開
こうした中、通貨リラはいくぶん持ち直しています。2月中旬以降、対ドルでは2%程度上昇しました。これは、主な新興国通貨では平均的な度合いです。
上限金利引き下げについては、金融緩和圧力を強めるエルドアン政権の影響を無視できないほか、テロも相次ぎ、政治的リスクがリラの不透明要因となっていることは否めません。ただし、通貨の実際の動きは世界的な市場心理の影響を受けやすいと見られ、日欧が金融緩和を強め、米国が再利上げを見送ったことは新興国通貨にはプラスであり、リラを下支えすると思われます。
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