南アフリカの金融政策と今後のランド相場について

2016/03/18 <>
  1. 南ア準備銀行(SARB)31517日の金融政策委員会で、政策金利を7.00%へ引き上げました。
  2. 高インフレと景気停滞のジレンマの中で、インフレ抑制と通貨下支えを優先した形です。
  3. 投資家心理が改善すれば、南アフリカランド(以下、ランド)の高金利が妙味となると思われます。

商品市況安、政局混乱、格下げ懸念と困難続き

南アフリカ準備銀行(SARB)は3月15~17日の金融政策委員会で、政策金利を0.25%引き上げ、7.00%に決定しました。1月に続き、2会合連続の利上げです。

食料品高騰を背景としたインフレ高進の抑制と、政局不安で下振れするランドを下支えするためです。1月のCPIは前年同期比+6.2%と12月の同+5.2%から加速、主に食料品・飲料の価格上昇によるものです。また、インフレ見通しにおいても、長期間にわたり、中銀目標の上限+6%より上振れしていることから、今回の利上げに踏み切りました。

高インフレと景気停滞のとのジレンマの中で中銀は、利上げによって「物価を安定化させる使命を全うする」という意思表示をしました。昨年末、1週間内に2度も財務相を交代させたズマ大統領のドタバタ劇や、市場信任の厚いゴーダン財務相と警察との衝突に市場が嫌気をさし、通貨ランドは下落基調にありました。格下げ懸念も依然くすぶっています。

商品市況下落と新興国市場に対する市場心理の悪化で、南ア経済は下落の一途をたどっており、中銀は16年17年の成長率見通しを、それぞれ0.9→0.8%、1.6%→1.4%へと下方修正しました。

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高金利が妙味に

SARBの利上げ発表後、ランドは対ドルで上昇し、それまでの政局不安や格下げ懸念による下落分は帳消しとなりました。

原油価格落ち着きなどにより投資家心理が改善されれば、相対的に高い金利が妙味となり、ランドの地合いが好転することが予想されます。

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