ブラジル15年10-12月期GDP~浮上はいつか?
2016/03/04
<投資信託>
- 実質GDP成長率は前年同期比-5.9%、個人消費など内需全般が大幅に減少しました。
- 前期比では最悪期を脱した感はありますが、マイナス解消は18年以降と予想しています。
- 市場は、景気反転後や政治不安解消後をイメージし始めている感があり、変化の兆しが見られます。
内需に良いところ全くなし
IBGE(ブラジル地理統計院)が3日発表した15年10-12月期の実質GDP成長率は前年同期比-5.9%でした。リーマンショック時の景気後退を大幅に上回る、戦後最大の景気後退が続いています。
内需を主な項目別に見ると、個人消費が前年同期比-6.8%、固定資本投資が同-18.5%でした。内需全体の実質GDP成長率に対する寄与度は-10.4%と2ケタのマイナスでした。一方、外需は、輸入が同-20.1%と内需減少を受けて大幅に減少したため、輸出(同+12.6%)と合わせ、外需は実質GDP成長率を4.5%押し上げました。なお、前期比では15年4-6月期のマイナス幅が最大(年率-8.2%)で、2期連続で縮小しています。したがって、最悪期は通過したようですが、プラス成長に転じるのは18年以降と予想されます。
市場は「最悪期後」をにらみ始めた?
市場の動きは通貨安、株安傾向からやや変化しています。通貨レアルは動きは小さいものの、最近1週間は反発に転じています。代表的な株価指数のボベスパ指数は1月下旬に年初来安値を付けた後、25%上昇しています。
市場は、景気、インフレ、政治不安等々の悪いニュースは織り込んだ感があります。逆に、景気後退を映してインフレが鈍化し始めたり、政治不安に何らかの決着を見た後をイメージし始めている可能性があります。
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