オーストラリア(豪)のGDP統計と金融政策及び豪ドルの展望
2016/03/02
<投資信託>
- 実質GDP成長率は前期比年率+2.6%でした。消費支出を中心に内需がプラスに寄与しました。
- RBA(豪準備銀行)によると、16、17年は+2~3%台の緩やかな経済成長が続くと予想されています。
- インフレ率も目標に近付きつつあり、金融政策は当面中立で、豪ドルは安定して推移しそうです。
固定資本投資減少が一巡し、内需主導の成長戻る
本日、豪統計局が発表した15年10-12月期GDP統計では、実質GDP成長率は前期比年率+2.6%でした。7-9月期は、公共事業の減少で固定資本投資が大きくマイナスに寄与したのに対し、10-12月期は反動で増加に転じたため、内需主導の緩やかな成長という形になりました。ただし、民間固定資本投資は、国際商品市況低迷の影響で、弱含みが続いています。
RBAが2月に発表した金融政策報告書によると、16年の実質GDP成長率は+2~3%と11月の前回報告と変わらず、17年は+2.75~3.75%から+2.5~+3.5%と小幅下方修正されました。経済活動の鉱業依存度低下が先行き下方修正の要因です。一方、豪ドル高の是正による外需の回復や堅調な個人消費や住宅投資が、景気のけん引役と予想されています。
豪ドル高の是正は一巡
豪経済が安定成長を続けるという見通しから、金融政策は緩和方向から安定方向に変わったと思われます。インフレ率が目標である+2~3%に近付いていることも、政策スタンスの中立化を促しそうです。
また、豪ドル相場が、14年夏場の1豪ドル0.9米ドル台から、足元は0.7米ドル台へと下落し、外需に寄与する部分も出てきました。こうした状況から、豪ドル高の是正はほぼ一巡したと考えられます。景気、インフレ率共に適正と思われる水準になりつつあるため、金融政策は中立が基本スタンスとなり、豪ドルは安定して推移していくと思われます。
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