15年10-12月期GDP統計改定値(米国)
2016/02/29
<投資信託>
- 実質GDP成長率(改定)は前期比年率+1.0%でした。速報から0.3ポイントの上方修正でした。
- 在庫投資の上方修正と輸入の下方修正が主因で、民間最終需要は小幅に下方修正されました。
- 16年は減速が予想され、金融政策は適切な「市場との対話」を通じた慎重な姿勢が求められそうです。
政府支出、個人消費が主な下方修正要因
2月26日に米商務省が15年10-12月期実質GDP成長率の改定値を発表し、前期比年率+1.0%と、速報の同+0.7%から0.3ポイント上方修正されました。
主要な需要項目について修正状況を見ると、上方修正に寄与したのは在庫投資と輸入でした。一方、最終需要が全般的に下方修正され、政府支出と個人消費がその中心でした。在庫投資の上方修正は主に流通在庫(卸・小売業が抱える在庫)によるものなので、個人消費の下方修正と整合的です。
在庫の上方修正は、先行きの生産抑制につながる可能性があるので、GDP全体は上方修正されたものの、内容はそれほど良くなかったと思われます。
適切な「市場との対話」が重要
アムンディでは、16年の実質GDP成長率は、15年実績(前年比+2.4%)から減速し、+2.0%を予想しています。この半年で0.4ポイント下方修正しました。
FRB(米連邦準備理事会)は、昨年12月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で9年半ぶりの利上げを実施し、当時FOMCメンバー全体では年4回程度の利上げを予想していました。しかし、景気減速や、金融市場の混乱から当初の利上げペースは難しくなっていると見られ、年内の利上げは1回程度にとどまる公算が大きいと予想しています。
利上げに関するFRBと市場の見方には当初から差があり、市場の方が慎重な見方をしていました。今後も、金融当局による適切な「市場との対話」が重要です。景気や市場について両者の認識が近付けば、市場の不安感を和らげることにつながると考えられます。
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