Moody’s社がブラジルを投資不適格級へ格下げ
2016/02/25
<投資信託>
- 米格付け会社Moody’s社はブラジルの外貨建て債務格付けをBaa3からBa2へ引き下げました。
- 財政再建、構造改革が進まない中、今後数年で政府債務が大きく積み上がると見込まれています。
- 市場の反応は17日のS&P社格下げ時と同様限定的で、引き続き国際商品市況に注目です。
大手3社すべてで投資不適格級
米大手格付け会社のMoody’s(ムーディーズ)社は24日、ブラジルの外貨建て債務格付けをBaa3からBa2へと2ランク引き下げました。格付けの方向性はネガティブ(格下げの可能性ありを示す)です。これで、S&P(スタンダード・アンド・プアーズ)社、Fitch(フィッチ)社と、大手格付け会社すべてが投資不適格級となりました。
S&P社が格下げした17日から状況は変わっていません。景気後退とインフレが同時並行するスタグフレーションに見舞われており、財政収支が大きく悪化しています。政府は200億レアル程度の歳出削減などの財政再建策を測るとしていますが、16年の基礎的財政収支(プライマリー・バランス:国債費〔償還、利払い等に係る歳出〕除く財政収支)は600億レアルに上る可能性があるとされています。
国際商品市況がカギとなる状況に変わりなし
Moody’s社は、財政赤字拡大と金利上昇による政府債務の金利負担拡大で、総債務の対名目GDPが、15年末の66%から。16~18年には80%を超え、返済負担が重くなってくる可能性が高いとしています。
今回の格下げで事実上完全な投資不適格となってしまったこともあり、市場は株安、金利上昇、通貨レアル下落で始まりましたが、日中は反発し、結局いずれも小動きで終わりました。25日未明から原油価格が反発したことに反応したと見られます。格下げはほぼ市場に織り込まれ、今後は引き続き国際商品市況の影響を受けやすいと思われます。
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