メキシコ、政策金利据え置き~今後のペソの展望

2016/02/05
  1. メキシコ中央銀行は、24日の理事会にて、政策金利を3.25%に据え置くと決定しました。
  2. 米国追随の政策スタンスです。メキシコ経済自体は低インフレ・安定成長と良好な状態にあります。
  3. 原油価格は年後半にも需給改善で下げ止まると見込まれ、通貨ペソは底値圏にあると思われます。

米国金融政策に追随も、安定したインフレ、経済も据え置きを後押し

メキシコ中央銀行(以下、中銀)は、2月4日に開いた定例理事会で、政策金利を3.25%に据え置くことを決定しました。基本的には米国の金融政策に追随するスタンスで、1月のFOMC(米連邦公開市場委員会)でFF金利誘導水準が据え置かれたことを受けたものです。また、国内経済も、新興国の中では良好な状況にあり、特段、政策変更の必要はないと判断されました。

メキシコは、インフレ、成長率共に安定しています。12月CPIは前年同月比+2.1%と過去40年来で最低となり、目標の+2~4%の下限近くにあります。また、1月29日に速報が発表された15年10-12月期GDP統計では、実質GDP成長率が前年同期比+2.5%でした。年を通じて+2%台の成長率であり、年間では前年比+2.5%と14年の同+2.3%を上回りました。

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年後半にも原油安は一巡、持ち直しへ

通貨ペソは、比較的良好な経済情勢にあるものの、このところ弱い展開です。産油国の一角として、原油価格の下落基調が強まったのとほぼ並行して下落しました。

ただ、原油安の主因である需給不安は年後半にも改善すると見込まれます。米国でのシェールオイル生産が今後伸び悩むという観測(投資減少の影響)や、産油国間で生産枠協調の気運が出ていることから、ペソは底値圏にあると思われます。原油価格が安定すれば、経済の安定感や中位程度の着実な収入が期待される金利水準などが好感され、ペソは持ち直しに転じると思われます。

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