1月のISM景況指数について(米国)
- PMIが小幅上昇、NMIが低下しました。ウエイトの高いサービス業種の業況悪化が影響しました。
- NMIの低下は景気減速色が濃くなっていることを示すものの、景気拡張方向は維持されています。
- 先行き景気後退を警戒するほどではないものの、金融政策はさらなる慎重さが求められるでしょう。
非製造業は主要セクターの不振が響く、製造業は受注好調に光
ISM(全米供給管理協会)は2月1日に1月のPMI(製造業購買担当者景況指数)を、3日にNMI(非製造業購買担当者景況指数)を発表しました。PMIは前月比+0.2ポイントの48.2、NMIは同-2.3ポイントの53.5でした。生産活動の伸び悩みに加え、年明け後の個人消費も今一つで、全体的に景気減速色が濃くなっています。
NMIは企業活動指数と雇用指数の下落が押し下げ要因でした。非製造業は、雇用のウエイトが低い金融保険、不動産、公益などの業況が比較的底堅く、雇用のウエイトが高い流通、娯楽などの業況が今一つであったことが影響したと思われます。寒波も一部影響したと思われます。一方、PMIは4カ月連続の50ポイント割れですが、生産指数と新規受注指数がいずれも3カ月ぶりに50ポイント超に回復し、下げ止まり感が出てきました。
全体的な景気拡張維持、今後の金融政策スタンスに注目
ISMによると、PMIの48.2に相当する実質GDP成長率は年率で+1.6%程度としています。米国の潜在成長率と言われている+2%強と比べると、足元の景気は減速していると評価されます(ちなみにゼロ成長に相当するPMIは43.2)が、景気拡張方向は維持されています。
こうした中、金融当局(FRB:米連邦準備理事会)の政策スタンスと市場の見方とのギャップが埋まらず、経済、市場双方が不安定化する一因になっているようです。市場では年内利上げも難しいという見方も出てきており、年4回の利上げ見通しについて、今まで特に言及がないFRBとのギャップが気になります。次回会合(3月15-16日)での利上げは困難な情勢であると思われますが、市場の見方とのギャップを埋めるようなFRBからのメッセージが待たれるところです。
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