12月の鉱工業生産(日本)
2016/02/01
<投資信託>
- 12月の鉱工業生産は前月比-1.4%でした。中国経済減速の影響もあり不安定な動きです。
- 単月では実質輸出が減少しており、機械、電子部品、非金属系素材など、輸出セクターが不調でした。
- 世界経済は緩慢ながらも拡大が続き、在庫調整進捗と共に生産も回復余地が出てくると思われます。
生産予測は急回復を示唆しているが不安定さ拭えず
1月29日に経済産業省が鉱工業指数を発表しました。生産指数は前月比-1.4%と2カ月連続で減少しました。秋口にかけて増加した分がそのまま減少した形で、企業の生産は伸び悩んでいます。
15年後半は輸出が増加傾向となり、生産の回復を支えていましたが、12月の実質輸出が前月比-3.1%と大幅に減少したことが影響しました。生産が減少したセクターは機械、電子部品、プラスチック製品など、新興国を中心とした輸出動向の影響を受けやすいセクターの不調が目立ちました。
在庫調整はかなり進捗してきたが・・・
15年年間の鉱工業生産は前年比-0.8%と小幅減少に終わりました。出荷が伸び悩んでいるため、年間通して在庫調整圧力が根強く、結果的に生産に積極化しにくい環境が続きました。
しかし、出荷・在庫循環上は在庫が前年比ベースで1年7カ月ぶりにマイナスに転じ、さすがに在庫調整も最終局面を迎え、生産が回復しやすい環境になっていると思われます。一方、世界の経済成長率は、以前に比べると下方修正気味ですが、16年は小幅ながら加速する方向です。懸案である新興国経済も中国以外は持ち直す方向にあります。日本は、中国の他にもASEAN諸国などアジア全般に対して輸出のウエイトが高いため、新興国における景気持ち直しは企業生産の回復余地を拡大させると期待されます。
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