インドネシアの金融政策と市場展望
2016/01/15
<投資信託>
- インドネシア中央銀行(BI)は、13-14日の定例理事会で、政策金利を7.25%に引き下げました。
- 米国が予想通り利上げに踏み切ったことで、当面の不透明要素が後退したとして決断されました。
- 利下げで景気刺激や改革促進に対する期待が高まり、通貨ルピアや株価は底堅いと思われます。
米金融政策の影響を確認した上での慎重な措置
インドネシア中央銀行(Bank Indonesia、BI)は13-14日に定例理事会を開き、政策金利を0.25%引き下げ、7.25%にすると決定しました。燃料補助金撤廃による燃料価格上昇効果が剥落、12月CPI(消費者物価指数)が前年同月比+3.35%へと大幅に鈍化し、BIが掲げるインフレ目標(+3~5%)の中でも低めの水準に達したことが大きく影響したと思われます。
BIは前回の定例理事会(12月17日)では、物価安定などを受けて金融緩和の余地が出てきたと声明文で述べていました。しかし、当時は12月16日に米国が利上げを実施した直後でひとまず様子見し、1カ月経過して不透明要素が後退したとの判断で利下げに踏み切った形です。
金利低下よりも経済活性化の期待が勝った
メキシコなど、米国の利上げに追随して利上げする国が目立つ中、逆の利下げに踏み切ったのは少数派と思われます。しかし、利下げ後も通貨ルピアと株価に目立った動きは見られません。
利下げしても7.25%であり、金利面での妙味は変わらないという見方もありますが、利下げを通じて、銀行貸出が刺激され、景気を上向かせるほか、ジョコウィ政権が進めているインフラ投資や構造改革の進展に資するという見解も多く、今のところ、利下げが前向きに捉えられています。利下げが国内経済にプラスという見方が中心になっていることから、ルピア、株価は当面底堅く推移すると思われます。
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