11月の雇用情勢について(ユーロ圏)
2016/01/08
<投資信託>
- ユーロ圏の11月失業率(速報)は10.5%でした。景気が底打ちした13年半ば以降で最低です。
- 失業者数は前月比-13.0万人、14カ月連続減少です。13年半ば以降では240万人減少しました。
- これまでの失業率低下のペースが続けば、1年半後辺りには過去の平均水準を割り込みそうです。
ドイツ以外の中心国の失業者数が減少
1月7日、Eurostat(EU統計局)が11月の雇用統計を発表しました。失業率は前月比-0.1ポイントの10.5%でした。景気が底打ちした13年半ば以降の最低を更新しました。
また、失業者数は前月比-13.0万人、14カ月連続の減少です。イタリア(同-4.7万人)、スペイン(同-4.1万人)、フランス(同-2.6万人)と、ドイツ以外の中心国の失業者減少が目立ちました。
雇用環境改善は今後も継続、1年半後には9%台前半も
米国では雇用環境がリーマンショック前まで改善し、FRB(米連邦準備制度理事会)が利上げに踏み切る判断材料となりました。しかし、ユーロ圏の雇用環境は、債務危機の影響で11年7-9月期から13年1-3月期まで7期連続のマイナス成長に陥って、さらに失業率が上昇したこともあり、そこまで改善していません。ユーロ発足(99年)後のユーロ圏失業率の平均値は9.6%であり、雇用環境改善が実感されるには、少なくとも同水準を下回ってくることが条件になると考えられます。
現在、ECB(欧州中央銀行)が強力な金融緩和政策を実施したことで景気回復が鮮明化しており、雇用環境の改善が今後も続くことが予想されます。仮に、雇用環境が改善に転じた13年半ば以降を起点として、足元までの失業率低下ペースが続いた場合、失業率が9%台前半まで低下するのは1年半後辺りが想定されます。それでも、リーマンショック当時の8%程度よりも高いですが、雇用環境はかなり改善したと認識される状況になると思われます。
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