12月のユーロ圏景況感指標
2015/12/21
<投資信託>
- 12月のIFO企業景況感指数は前月比-3ポイントの108.7、高水準で小動きの展開です。
- ユーロ圏PMIと合わせて見ると、製造業の業況が底堅く、卸・小売業がやや弱い動きです。
- 金融緩和の強化で相対的にユーロが弱含む流れが見込まれ、ユーロ圏の景況感は底堅そうです。
金融緩和強化、ドル高傾向が景況感にプラス
12月17日、IFO研究所が12月の企業景況感指数を発表しました。前月比-0.3ポイントの108.7でした。最近数カ月は上がったり下がったりの動きとなっており、企業の景況感は好調な水準です。主要業種の業況は、製造業が堅調で最も高いのが現状です。一方、小売業が弱含みでした。
その他の景況感指標では、製造業PMI(購買担当者景況感指数)は前月比+0.3ポイントの53.1と14年4月以来の水準に上昇、ZEW景況感指数※の期待指数が前月比+5.6ポイントの33.9で夏場以来の水準を回復、センティックス経済信頼感指数☆も前月比+0.6ポイントの15.7と上昇し、ユーロ圏の企業景況感は製造業中心に日米以上に堅調です。
※ZEW景況感指数:ドイツの調査機関ZEW(欧州経済研究センター)がアナリスト、機関投資家、市場関係者に対するアンケート調査を基に算出
☆センティックス経済信頼感指数:ドイツの調査会社センティックス社が個人投資家、機関投資家に対するアンケート調査を基に算出
米利上げ受けて再びドル高・ユーロ安方向へ、景況感押し上げへ
12月3日のECB(欧州中央銀行)理事会で、決定した追加緩和が不十分という見方から上昇したユーロは、16日に米国が利上げを実施したことで、再度下落しています。
ドルと円の関係と同様、ユーロとドルは金融政策の方向性の違いが鮮明なことから、ユーロ安・ドル高方向が続くと思われます。こうしたことはユーロ圏企業の景況感を押し上げると思われます。
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