日本の経済動向(2020年7-9月期GDPと市場展望)
2020/11/16
<投資信託>
- 実質GDPは前期比年率+21.4%でした。想定通りのリバウンドで、個人消費と純輸出がけん引しました。
- 今後は緩やかな景気回復になると予想されますが、先行き不透明感から投資全般に弱さが見られます。
- 業績の先行き期待が株価には追い風、ドル・円相場は米国側の要因で明確な方向は出にくいと考えます。
新型コロナの感染再拡大の影響は限定的
本日、内閣府が発表した2020年7-9月期の実質GDP(一次速報)は、前期比年率+21.4%でした。7月22日から始まった「Go Toトラベル」が景気のリバウンドに一役買いました。また、一人10万円の特別定額給付金の影響も、主に夏場の消費を押し上げたと見られます。
実質GDP成長率(前期比年率)に対する寄与度は、個人消費が+10.8%、純輸出が+12.2%と、リバウンドの2本柱となりました。個人消費は明暗が分かれました。国内家計最終消費の内訳は、サービスが前期比+6.6%、耐久財が同+4.0%の一方、半耐久財・非耐久財は+2.0%でした。Go Toトラベル、特別定額給付金の影響が主にサービス、耐久財に向いた形です。純輸出は、輸出の回復は緩やかで、むしろ輸入減少の影響が大きく、いわゆる不況型のプラス寄与でした。
新型コロナの感染が再拡大していますが、経済活動を本格的に抑制する対策が打たれる可能性は低く、10-12月期以降は緩やかな景気回復が予想されます。ただし、設備、住宅など、投資全般に先行き不透明感からくる弱さが見られ、中長期的な景気回復に対する確たる展望は描けていない状態です。アムンディでは、2022年にも2019年の経済規模を上回ると予想しています。
株価に追い風、ドル・円相場はレンジ
株価は、景気回復期待が強まって急上昇しており、日経平均株価は2万5000円台後半と29年ぶりの高値を記録しています。ドル・円相場は緩やかな円高・ドル安となっています。
企業業績の先行きに明るさが見えてきたこと、米民主党の金融、財政に緩和的な姿勢(ドル安要因)を合わせると、株価には追い風です。一方、ドル・円相場には米景気の回復期待というドル高要因が相殺し、当面は1ドル105円を挟むレンジ相場と考えます。
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