英国の金融政策(11月)~今後の政策、景気、市場は?
- BOEは金融政策委員会で政策金利0.1%を据え置く一方、APPの上限を1500億ポンド引き上げました。
- 新型コロナ感染再拡大によるロックダウンの影響を考慮し、景気見通しは再び下方修正されました。
- EUとの通商交渉難航やロックダウン再開が重しとなり、英国資本市場は気迷い気運が強まりそうです。
再ロックダウンの影響大きい
BOE(イングランド銀行、英国中央銀行)は、11月5日の金融政策委員会(MPC)で政策金利を0.1%に据え置きました。一方、7450億英ポンド(以下、ポンド)を上限としていた量的緩和政策(APP:資産購入プログラム)を1500億ポンド積み増し、8950億ポンドとしました。
英国経済は新型コロナの感染再拡大を受け、イングランドが11月5日から12月2日までロックダウンを再開、スコットランドも都市部で警戒を強めています。同日発表された金融政策報告書では、2020年の実質GDP成長率予想を、8月時点の-9.5%から-11%へ、2021年を同じく+9%から+7.25%へと下方修正しました。ロックダウン再開の影響が考慮されました。また、政策金利見通しについては8月予想からマイナス金利を導入することが想定されています。2021年から2022年にかけて-0.1%への利下げがあり得ることが示されました。
今後の展望描けず市場は気迷い
英国資本市場は、今後の展望が描きにくい状況です。EU(欧州連合)との通商交渉で、依然として対立が解消せず難航していること、新型コロナの感染再拡大によるロックダウン再開など、景気の先行き不安を強める材料が多く、方向感をつかめていません。
ポンド相場は通貨別にまちまちの動きです。対ユーロでは、9月前半の1ポンド1.08ユーロから足元は1.11ユーロ、対ドルでは、同期間で1ポンド1.28ドルから1.31ドルと、最近は強含みです。EU諸国、米国も新型コロナの感染再拡大で景気先行き不安が強まっていることが影響していると見られます。なお、対円では1ポンド136円程度で横ばいです。一方、英国株は大きくパフォーマンスが劣後しています。主要指数のFTSE100種総合株価指数は11月5日現在で年初来-21.7%と、S&P500指数の同+8.7%、TOPIXの同-4.1%などと比べ、大きく低迷しています。市場は当面、気迷い気運が強まると懸念されます。
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