FOMCについて~今後の金融政策と市場展望

2020/11/06 <>
  1. 新型コロナの感染再拡大など、景気への不安要因が根強く、現行の強力な金融緩和を維持しました。
  2. 景気回復の支援を緩めないよう、年末を期限としている各種信用供与を延長する可能性があります。
  3. 金融緩和強化、従来以上の積極財政の組み合わせへの期待から、足元は株高・ドル安の展開です。

強力な金融緩和を粘り強く続ける

11月4-5日、FOMC(米連邦公開市場委員会)が開かれ、政策金利であるFF金利誘導水準は0-0.25%、国債、MBS(モーゲージ証券)の無制限購入、各種信用供与など、現行の政策手段をすべて維持しました。総資産は緊急時に大量供給した資金の回収もあり、足元は横ばいです。

10月以降新型コロナの新規感染が再拡大しており、景気は足元回復しているものの、先行き不安が払拭されていません。こうした中、声明文やパウエルFRB(連邦準備理事会)議長の記者会見では、現行の金融緩和を粘り強く続けるスタンスが強調されました。コロナショックの中で相次いで導入された信用供与ファシリティ(社債、CPの購入や民間への直接信用供与など)についても、当初期限とされた年末から延長される可能性も出てきています。

ドルも次第に景気面で下支えへ

大統領選挙、FOMCを経て、株価上昇、ドル安となっています。株高・ドル安の組み合わせは、大規模な景気対策に対する、景気回復期待(株高要因)に対して、金融・財政政策については緩和的なスタンス(ドル安要因)になるためと考えられます。株式については短期的には波乱含みです。

なお、景気回復期待はドル高要因でもありますが、コロナ禍での市場の判断は、緊急的なドル需要の後退(ドル安要因)という観点もあり、結局、上記のドル安要因が前面に出ていると考えられます。しかし、次第に景気面でドルが下支えられると見込まれ、極端なドル安にはなりにくいと考えます。

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