米企業の景況感(10月)~今後の景気見通し
2020/11/05
<投資信託>
- ISM-PMIは、製造業とサービス業で明暗が分かれました。製造業は在庫復元等の動きが見られます。
- サービス業は景気のけん引役となっていますが、コロナ禍の下での活動回復に限界が見て取れます。
- PMIやGDPNow などから、景気リバウンド一巡後の成長ペースは年率+3%程度が見込まれます。
製造業でリバウンドの動き続く
ISM(全米供給管理協会)が10月のPMIを発表しました。製造業は前月比+3.9の59.3、サービス業は同-1.2の56.6でした。コロナ禍による景気後退からのリバウンドが一巡した後の成長ペースを見るうえで重要な局面ですが、製造業が経済活動抑制中に減少した在庫の復元や、回復に転じた輸出への対応などを目的に、生産をもう一段拡大させる動きが出たと示唆されます。
構成指数を見ると、生産指数(サービス業は活動指数)と新規受注指数、雇用指数で製造業、サービス業の明暗が分かれました。サービス業は、景気がリバウンドする中でのけん引役となり、現在でも景気回復の主役であることには変わりありません。ただし、新型コロナの感染が依然として高水準な中、現状以上の活動水準の回復に限界があることを示唆する動きと見られます。
リバウンド後も着実な景気回復へ
2020年7-9月期の実質GDP成長率は前期比年率+33.1%の高水準となりましたが、10-12月期はリバウンドの動きは一巡し、安定成長に向かうと予想されます。アトランタ連銀のGDPNow※によると、サービス業PMIまでを織り込んだ成長率は11月4日現在で+3.2%です。
※各経済指標から経済成長率(前期比年率)を推計
また、ISMによると、現状のPMIから推計した成長率は製造業で+4.8%、サービス業で同+2.7%(年率)とされ、それぞれの生産ウエイトで加重すると+3.0%になります。両者の推計から、リバウンドが一巡した後の成長ペースは+3%程度と見られます。これは、米国の潜在的な成長率とされる+1.5~2%と比べると高めですが、新型コロナの対策が進み、サービス業が「コロナ前」の活動水準を取り戻していくことを前提とすれば、ほぼ妥当ではないかと考えられます。
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