ユーロ圏の10月景況感について
- ユーロ圏の10月の景況感は、コロナ禍での回復の限界と最近の感染再拡大を映す動きとなりました。
- 欧州各国の足元のコロナ対応は予想外に警戒的で、年末にかけての景気動向への不透明要因です。
- 景気等に先行き不透明な要素が多い中、市場は当面、方向感を見出しにくい展開が予想されます。
経済活動再制限の長期化が懸念材料
ユーロ圏の10月景況感指標は、コロナ後の経済活動再開の流れが続いていることを示したものの、コロナ禍での景気回復に限界があることに加え、最近の新型コロナの感染再拡大の影響を反映する動きとなりました。IHSMarkitが発表したPMI(総合)は前月比-1.0の49.4と、4ヵ月ぶりに景況感の好悪の境目である50を割り込みました。製造業が同+0.7に対してサービス業が同-1.8でした。また、CESifoが発表したifo指数は前月比-0.5の92.7でした。6ヵ月ぶりの低下です。現況指数が同+1.1と足元の景況感が改善しているのに対し、期待指数が同-0.9でした。
9月以降、欧州各国で新型コロナの感染拡大が顕著となり、10月に入って、夜間外出禁止など、再び人の活動が制限される事例が増えています。今回の景況感はこうした情勢を受けたものと見られますが、各国当局は制限再強化に消極的でしたが、新規感染件数が前回のピーク(4月頃)を大幅に上回っている(検査数増加も一因)ことが重視されたと見られます。制限が長引けば、リバウンドから安定した景気回復への道筋が揺らぎかねず、年末にかけての不透明要因です。
先行きの視界が不良で方向感ない展開
ユーロ相場と欧州株は、経済正常化への期待感はあるものの、足元の新型コロナの感染状況や、11月3日の米大統領・議会選挙を控え、様子見気運が強い状態です。
株価は、企業業績が予想より良好なことが下支えとなる一方、景気の先行き不透明感台頭で重しになり、当面はもみ合いが続くと見込まれます。また、ユーロ相場は、ドルの値動きがやや重いなかで対円相場は伸び悩みやすく、当面、方向感のない展開が予想されます。
※ユーロ・ストックス指数はSTOXX Limitedが発表しており、著作権はSTOXX Limitedに帰属しています。
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