アムンディ・ヨーロッパ通信~急増したユーロ圏の政府債務と今後の見通し

2020/10/23 <>

 

四半期ベースで過去最大の増加

22日にEurostat(EU統計局)が発表した財政統計によると、2020年6月末のユーロ圏19ヵ国の政府債務残高は前期比+6,857億ユーロでした。また、対名目GDP比は95.1%と同+8.8ポイントでした。いずれも、ユーロ圏発足後では群を抜いて最大でした。コロナ禍で経済活動が制限される中、各国はもちろん、EU自体も大規模な景気対策を実施したため、当然の結果といえます。しかし、数値を見ると、改めてコロナ禍の影響の深刻さがうかがえます。

IMF予測よりも高くなる可能性も

IMFの世界経済見通しによると、ユーロ圏の政府債務の対名目GDP比は、2020年末には100%を超えるものの、その後は政府債務残高の増加ペースが低下するとともに、景気回復でGDPは増加するため、同比率は低下傾向をたどると予測されています。しかし、名目GDP成長率について、2020年の落ち込みとその後の回復ペースが、市場全般の見方よりも楽観的な数値になっており、対名目GDP比は2021年も上昇し、その後は緩やかに低下するものの、IMFの予測より高水準となる可能性もあります。

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