アムンディ・ヨーロッパ通信~欧州ハイイールド債の現状(米国との比較)

2020/10/09 <>

 

安定した動き

ハイイールド債市場は、コロナ禍で一時、利回りが大幅上昇(価格が下落)しましたが、夏場にかけて低下傾向が続き、国債との利回り格差が縮小してきました。夏場以降は、おおむね安定した動きとなっています。ただし、依然として厳しい景気実態の下で、コロナ前の水準と比べると、まだ利回りは相対的に高めといえ、今後予想される景気回復を考慮に入れると、引き続き投資妙味があると考えられます。これは、ハイイールド債の主要市場である米国でも欧州でも、ほぼ同じと見られますが、ここに来て、米国と欧州との間で投資妙味の相対的な位置関係に変化が出てきていると見られます。

米国割安から欧州割安へ?

欧米ハイイールド債の対国債利回り格差は、コロナ禍で一時大幅に拡大しましたが、米国の拡大幅が欧州より大きく、利回り面で米国ハイイールド債の投資妙味が増しました(図中のb-a参照)。その後、米国の欧州に対する割安度合いが徐々に後退し、足元では今年初めの水準まで縮小しています。欧米それぞれの対国債利回り格差がコロナ前の水準まで縮小していない中で、欧米の差がコロナ前の水準にあるということは、逆に欧州の方が割安な状態になったと考えられます。

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