米企業の景況感(9月)について~株式市場への示唆
- ISM-PMIは小幅な動きでした。リバウンド局面から、着実な景気回復を確認する局面に移りつつあります。
- PMIの水準は、実質GDP成長率では年率+3%台です。内需の先行きへの明るい動きも見られました。
- 株価は期待先行から、足元の景気回復を確認しつつ上昇余地を探る局面に移行したと見られます。
リバウンド後は+3%台の成長ペース?
ISM(全米供給管理協会)が9月のPMIを発表しました。製造業は前月比-0.6の55.4、サービス業は同+0.9の57.8でした。3~5月の大きな落ち込みから急速に回復してきましたが、リバウンドの動きは最近数ヵ月でほぼ落ち着き、現在は着実な景気回復局面に移行しつつあると見られます。
構成指数を見ると、製造業は生産指数(サービス業は活動指数)と新規受注指数が低下しましたが、リバウンドの動きの中でかなりの高水準となっていたため、通常の景気拡大局面並みに戻った形です。サービス業では、8月に同様の動きが見られました。ISMによると、現在のPMIの水準は実質GDP成長率に引き直すと年率+3%台とのことです。これは10-12月期以降の景気回復ペースを示唆しているとも言えます。なお、双方とも雇用指数が上昇したことは、内需の先行きに対して明るい動きです。
株価は景気回復を確認しつつ上昇余地を探る展開へ
米国市場では、10月2日にトランプ大統領夫妻が新型コロナウイルスに感染との報が伝わると、一時株安、債券安(金利上昇)、ドル安・円高となりました。しかし、着実に回復しているとの報道で落ち着きを取り戻しました。
強力な金融緩和と大規模な財政出動を受け、株価は経済正常化を先取りする形で大きく反発したものの、割高感も台頭し、ビッグテック※と呼ばれる巨大ネット企業の株価反落をきっかけに、9月は調整局面となりました。今後は、PMIの動きにも示されているように、株価は、足元の景気回復を確認しながら、上昇余地を探る局面に移行したと見られます。一方、長短金利は低水準が長期化する公算が大きく、株価を下支えすると考えられます。
※アマゾン、アップル、アルファベット、フェイスブック、マイクロソフトが挙げられる
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